ダンボールは、引っ越しや、商品の発送など、生活全般で利用シーンの多いアイテムです。
実は、ダンボールには、コピー用紙のようなA4サイズやB5サイズのように、決まった大きさ、というものがありません。
各メーカーで、中に入れる商品に合わせて作るのが一般的ですが、それほどたくさん使わない個人は、どうしたらいいのでしょうか?
この記事では、そうしたダンボールの選び方や注意点について解説していきます。
ダンボールのサイズの図り方
まず、ダンボールのサイズを決めていく際には「順番」があります。
それは「よこ、奥行き、深さ」の順で、国内のダンボールメーカーではこの順番でサイズを決めていきます。
例えば、下の図のような500mm×400mm×300mmという箱があるとします。
それぞれ「①よこ=500、②奥行き=400、③深さ=300」にそれぞれのサイズが該当し、このような箱のサイズになる、ということをまずは覚えておきましょう!※1※2
※1 「長さ×巾×深さ」と呼んだりすることもあります。
※2 「深さ」以外の長い辺を1番、次に長い辺を2番、そして最後に「深さ」を表記するのが一般的です。
箱のサイズを測る単位
先程はmmで表記しましたが、荷物を出す時には、「60サイズ」「80サイズ」など、3辺の合計を「cm」で呼ぶことが一般的です。
☑ダンボールのメーカーは「mm」
☑配達業者は「cm」
というのは覚えておきましょう。
箱を選ぶ重要な「内寸」「外寸」
ここまでは、測り方や単位について見てきましたが、とても重要な「どこの寸法か?」について解説します。
ダンボールには厚みがあるため、箱を作ると、内側と外側ではサイズが変わってきます。
▼▼「内寸」▼▼
箱の内側の寸法。隙間に紙やエアキャップを詰めて、荷物が動かないようにするために、入れたい荷物よりも1cm程度大きいものを選ぶのが一般的。
▼▼「外寸」▼▼
箱の外側の寸法。配達業者では、外寸の3辺の合計で料金が決定。また、保管スペースにダンボールを置きたい時も、外寸が基準。ここを間違って「内寸」の表記をされた箱を購入してしまうと、保管スペースに「入らない」という事態に。
「内寸」と「外寸」は結構違う!
後で説明するAフルートと呼ばれる材料で作った場合の、内寸と外寸の大きさの違いについて説明します。
「外寸:500×400×300」という箱を購入した場合、「内寸」は「494×394×290」となります。※3
例えばそこに、「500*360*280」という荷物を入れようとしても、「よこ」の内寸が494であるため、ひっかかって入りません。
よく確認し、一回り大きなものを選びましょう。
※3 ダンボールの折れ具合で多少前後します
ダンボールの厚みの種類
ダンボールにはさまざまな厚みの規格があります。
少しマニアックですが、ダンボールの大きさを、より理解していただくためにも、そこを解説していきます。
ダンボールというのは下の図のような構造になっており、「中芯」を「ライナー」という紙で挟んで作られています。
その中芯が、30cmで何段あるか?で「フルート」という規格が決まっています。
Aフルート
厚み | 5mm |
段数 | 34段±2 |
特徴 | 日本で一番ポピュラーなフルート。一般的な箱は、ほとんどこのフルートといっても過言ではなく、物流の様々な場面で活躍しています。 |
Bフルート
厚み | 3mm |
段数 | 50段±2 |
特徴 | Aフルートの次に使われている規格。軽量のものを入れる箱や小さい箱に使われます。折り目もシャープで、加工も容易なので、POPやディスプレイなどにも使います。 |
Cフルート
厚み | 4mm |
段数 | 40段±2 |
特徴 | AフルートとBフルートの間の厚みで、日本ではあまり見ませんが、世界では主流になりつつあるフルート。Aフルートより1mm薄いことで、20%の在庫スペースの確保ができます |
Eフルート
厚み | 1.5mm |
段数 | 93段±5 |
特徴 | 非常に薄いダンボールで、輸送用ではなく、パッケージに使われます。工作キットなどにも向いている材料です。 |
Fフルート
厚み | 1.1mm |
段数 | 120段以上 |
特徴 | E段よりもさらに薄いダンボール。メール便などに使われていたり、Eフルートよりも細かい仕様のパッケージなどに使われます。 |
Gフルート
厚み | 0.9mm |
段数 | 160段以上 |
特徴 | 最も薄いダンボール。厚紙のように使うことができるため、直接オフセット印刷もできます。 |
Wフルート
厚み | 8mm |
段数 | - |
特徴 | AフルートとBフルートを張り合わせたようなフルート。頑丈で、重量物の梱包に向いており、輸出用にも使われるフルートです。 |
AAフルート
厚み | 10mm |
段数 | - |
特徴 | Aフルートが2層に貼り合わさっているフルート。重量梱包に特化しており、機械の輸送や輸出にも使われます。 |
AAAフルート
厚み | 15mm |
段数 | - |
特徴 | Aフルートが3層に貼り合わさているフルート。AAフルートよりもさらに重たいもの輸送に使われます。 |
思った以上に種類があることに驚かれたと思います!
それぞれ厚みが違うことで、先程の「内寸」「外寸」が変わります。
厚い程、寸法の違いが出やすいため、詳しくはプロに任せたほうが無難です。
事例で見る最適なサイズの選び方
家から出る荷物を送る場合
この場合は、配送業者を使うことになると思います。
郵便局、ヤマト運輸、佐川急便、福山通運、西濃運輸、各社がありますが、各社でよく使われるのは、60サイズ、80サイズ、100サイズ、120サイズ、140サイズ、160サイズ、です。
本、CD、服、おもちゃ、お土産、家電、引っ越しの荷物、などをこのサイズ以内の外寸の箱に収めて送るとよいでしょう。
大きなサイズの荷物をおくる場合
スキー板やロールになっているカーペット、タンスや椅子など、大きなサイズを送ることも出てきます。
160サイズを超えるような箱になると、各配送業者に問い合わせが必要になります。
また、そのサイズになると、箱も限定されてきます。
オーダンボールでは、こうした特殊なサイズの箱にも小ロットで対応していますので、気になった方はお問い合わせください。
同じものをたくさん送る場合
これは、一般家庭ではなかなかありませんが、工場などで、製品を出荷する際は、同じサイズのものをたくさん送ることがあります。
その場合は、商品が最もコンパクトに収まり、かつ、輸送用のパレットやトラックにもちょうど収まるようなサイズの箱を作るのが最適です。
ダンボール箱は、中身の重さや状態、輸送状況により、フルートや、ライナー、中芯の最適な構成が変わります。
こうした細かい対応にも、オーダンボールでは対応しています。
中身を守る「サイズ」
荷物を送る際に、安くしたいと思い、ギリギリの寸法で、かつ弱い材料を使って箱を作る例を見ることがあります。
入れる中身が頑丈であれば、問題はありません。
しかし、そうでない場合は、次のようなデメリットが発生する可能性があります。
・外からの衝撃が直接中身に伝わり壊れる
・薄い材料を使ってしまうことで、輸送中に潰れる
記事の中で見ていただいたように、ダンボールは、フルートという規格以外にも、厚みや材質の組み合わせにより、さまざまな箱を作ることができます。
中身の重さや状態、輸送の経路なども踏まえ、最適なものを提案することが、オーダンボールではできます。
判断が難しいサイズが有りましたら、ぜひ一度お問い合わせをください。