ダンボールの色が印象を左右する理由とおすすめの活用方法

ダンボールというと、クラフト紙ならではの茶色をイメージする方は多いのではないでしょうか。

クラフト紙は強度を保つために漂白していないのが特徴で、木材を思わせる色は親しみやすさもあります。

しかし訴求力やブランディングを考えると、茶色以外のダンボールを使用するほうが、高い効果を期待できる場合もあります。

この記事では、ダンボールの色がユーザーからの印象を左右する理由や、活用方法を紹介します。

茶色以外のダンボールを使うメリット

茶色いダンボールの他に見かけることが多いのが、白いダンボールです。

基本的な構造は茶色いダンボールと同じで、表側(表ライナーと呼ばれる)のみ白く、内部(裏ライナー)は茶色いのが主流となっています。

白いダンボールを作るためには漂白した原紙を用意する必要があるため、製造コストや時間がかかりやすく、高価となりやすいのが特徴です。

シェア率を見てもわずか数%程度という見方もあり、茶色いダンボールに匹敵する流通量とはいえません。

コスト面を気にしなければ、「流通量が少ない=目立ちやすい」ので、プロモーション素材としては検討する価値があります。

また、表面に印刷する場合も、ダンボールの色が茶色いか白いかで印象が大きく異なります。

茶色いダンボールに印刷すると、紙の色が影響して全体的にくすんでしまいますが、白いダンボールなら彩度に影響が出ないので、仕上がりが鮮やかです。

白いダンボールの他にも、近年はカラーダンボールや表面に加工したタイプなども登場しています。

それぞれ異なる魅力がある一方で、白いダンボール以上のコストがかかります。

色が心理的に与える効果

色が心理的に影響を与えることは、国内外の研究によって分かっています。

ダンボールに限らず、インテリアや衣服、住宅の外観や内装など、身の回りにあるアイテムや景色の色も、人々に影響を与える要素の一部です。

色が心理的に与える効果を理解しておくと、ダンボールのデザインに最適な色を選ぶヒントとなります。

重量を感じさせる色

色の違いは、物体に感じる重量にも影響します。

たとえば引越し業者のダンボールが白いのは、心理的な効果を利用することが目的です。

白色は心理的に重量が軽い印象を与えるため、引っ越しスタッフの負担を軽減できると考えられています。

国内の大学で行われた実験では、白の心理的重量を基準100gとした場合、黒色は187g程度あるように錯覚することが分かりました。

(出典:室蘭工業大学「色彩心理効果と重量感の関係」)

類似する実験はいくつか行われており、単純に色そのもののイメージではなく、明度が重量感に関係している、という考えもあります。

実際、明るく柔らかな印象のパステルカラーと比べると、ダークカラーは重厚感があるように感じる方は多いのではないでしょうか。

・明るく華やかな印象にしたい:明度の高い色を選ぶ

・重厚感や高級感を演出したい:黒やグレーなどダークカラーを選ぶ

ダンボールのデザインに取り入れるときは、上記のように色がもつ重量感も考慮してみましょう。

人の目を惹きつける色

人の目を惹きつけやすい色も、いくつか存在します。

たとえばピンクなどビビッドな色は目立ちやすく、人の目を惹きつけやすいといえます。

彩度が高い(鮮やか)な色であるほど、派手な印象を与える傾向です。

ブランディングや広告目的の場合、ロゴなど注目してほしい部分にビビッドカラーを取り入れると効果的です。

注意点は、同じビビッドカラーでも、暖色系と寒色系で印象が異なることです。

誘目性がある(人の目を惹きつけやすい)のは、ピンクや赤など暖色系のビビッドカラーです。

中身のイメージを左右する色

通販用の箱や商品パッケージ用にダンボールを使用する場合、色のイメージを中身に合わせると訴求しやすくなります。

風水で黄色=金運アップとの考えがあるように、それぞれの色には一般的なイメージが確立しています。

一般的にもたれている各色のイメージは、下記のとおりです。

一般的なイメージ
あたたかい(熱い)・華やか・情熱的・エネルギッシュ
冷たい・爽やか・清潔感・知的
植物・若さ・健康・エコ・安心感・癒し
軽量感・活発・賑やか
重厚感・高級感
明るい・清潔感

黄色は赤やピンクなどのビビッドカラーと同じく、誘目性が高い色です。

立ち入り禁止のテープなど人々に注意を促したいときに使用されることが多く、自然とユーザーの目を引きます。

黒は重厚で高級感がある他、隣接する色を引きたててくれる効果もあります。

たとえば女性向けの高級ブランドでは、黒地にピンクや青、金などの差し色を入れた商品展開が珍しくありません。

小売店や通販サイトでも、食品や鮮やかな色の商品と黒地のダンボールを組み合わせれば、より魅力的に見せてくれます。

ダンボールでブランディングするときに最適な色の選び方

前述のとおり、色にはさまざまな効果があると考えられています。

ブランディング目的(自社や商品のイメージアップ)に取り入れるなら、誘目性だけを重視する必要はありません。

企業やブランドが親しまれるような色を選び、ユーザーに親しんでもらうことが大切です。

ダンボールのデザインに色を取り入れるときの効果的な選び方を、3パターン紹介します。

1.自社や業界のイメージに近い色を選ぶ

ブランディングでよく利用されている手法が、ロゴやパッケージなどに業種のイメージに近い色を取り入れることです。

製薬会社や法律事務所など知性・誠実さを表したい企業のコーポレートに青色が使われやすいのも、色のイメージを利用したテクニックです。

食品メーカー系でも、食欲増進を促すとされている赤系のロゴやパッケージが使われやすい傾向にあります。

自社や業界のイメージに適した色が分かりにくいときは、競合他社がどのような色を使っているのか参考にするのもおすすめです。

2.主張したいキーワードから連想する色を選ぶ

ブランドイメージではなく、自社が主張したいキーワードから連想する方法もあります。

企業理念や商品に込めたメッセージ、キーワードを参考に適した色を選びます。

色を選ぶときのポイントは、事前に自社が商品を通じてどのような価値をユーザーへ提供したいのかを整理しておくことです。

ユーザーに届けたいメッセージから、連想する色を絞り込みましょう。

たとえば「プレミアム」「ラグジュアリー」「特別な時間の提供」など、高級感を売りとするなら、黒系(黒やグレーなど)が合います。

「赤ちゃんにも安心」「お子さまにおすすめ」など商品の安全性を売りとするなら、親しみやすい柔らかな色が好印象です。

また、近年若年層に注目されたオーロラカラーのように、複数の色を組み合わせる方法もあります。

3.ターゲット層に合う色を選ぶ

ターゲットの属性を細分化できるなら、イメージカラーの参考にするのもおすすめです。

一般的には、男性向けなら寒色系やダークカラーなど、かっちりした色が親しまれやすいとされています。

女性向けなら、淡いピンクなど柔らかい印象のあるパステルカラーが好まれやすい傾向です。

子どもをターゲットとする商品は、色選びにひと工夫が必要です。

子ども自体は原色を好む傾向にありますが、商品によっては本人たちが選んだり購入したりするわけではありません。

商品を購入するメイン層は親や祖父母など大人なので、大人が好みやすい色を選ぶほうが手に取ってもらえます。

とくに淡い色は優しい印象があるので、親や祖父母が子どもに買い与えたいと感じやすい傾向が見られます。

キャッチーな色のダンボール製作は、矢野紙器にお任せください

ダンボールの素材自体は茶色が主流ですが、印刷など加工技術を駆使すれば、全体の印象は大きく変わります。

ブランディングや訴求力アップのためにも、ダンボールにオリジナルデザインやカラーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

矢野紙器は、インクジェット印刷で写真など繊細な模様のダンボールも製作できます。

茶色はもちろん、白いダンボールのご要望も承っておりますので、ぜひ理想の仕上がりイメージをご相談ください。

矢野紙器の強みは、通販用などの一般的な箱(みかん箱)だけではなく、強化ダンボールを利用したオブジェや家具の製作にも幅広く対応していることです。

無着色でダンボールそのままの質感を活用することも、設置場所に合わせて印刷で鮮やかに仕上げることもできます。

強化ダンボール製のオブジェや家具なら高い強度があり、実際に座ったり乗ったりできるメリットがあります。

大型のダンボール製品もパーツごとに印刷・成型できるので、会場で手軽に組み立てるだけで、キャッチーな巨大オブジェを設置可能です。

オーダーメイドで幅広い用途のダンボール製品作りに対応しておりますので、まずは「こういう加工をしたい」などお気軽にお問い合わせください。

>>矢野紙器による過去の製作実績はこちら

まとめ

ダンボールに色を加えることは、ブランディングや訴求力アップに効果的です。

ブランドや事業のイメージカラーに合わせる他、ターゲット層が好みやすい色を取り入れることで、通販用ダンボールに広告宣伝のはたらきを加えられます。

また、矢野紙器ではインクジェット印刷にてフルカラーのオブジェや家具製作にも対応しております。

お客様のご要望をヒアリングして最適な加工方法や商品をご提案しますので、ぜひご相談ください。