展示会に出展するとき、出展料のほかにも多くの費用がかかります。
予算が限られる中小企業の場合、費用がネックで思うようにブース作りができないことも多いのではないでしょうか。
展示会の費用を抑える方法のひとつに、補助金や助成金の利用があげられます。
この記事では、展示会の費用をまかなえる補助金や助成金について解説します。
展示会の出展にかかる料金と相場
展示会の出展時は、出展料に加えてブース作成や運営に関わる諸経費がかかります。
出展料は主催者ごとに異なっており、相場は1小間(ブースの最小単位)で20~50万円程度です。
初めて出展する企業は2小間で申し込むことが多く、およそ60〜90万円かかります。
ブース作成や運営に関する諸経費は、什器のレンタル代や搬入・搬出代、装飾の製作費、スタッフの人件費などです。
装飾費用は申し込んだブースの出展料と同額程度が目安で、すべての諸経費も含めると展示会1回で1〜2小間60〜200万円程度の費用が必要です。
ただし展示会の規模や主催者によって異なるので、あくまで目安程度に考えてください。
当然、大々的な木工ブースを建てたり高級な展示台や大画面モニターを用意したりすれば、金額は大きくなります。
展示会の費用を抑える方法
展示会の費用は、工夫次第である程度抑えられます。
ここでは展示会にかかる費用を抑えるとき、まず検討したい3つの工夫を紹介します。
割引制度を利用する
展示会によっては、早期申し込みなど割引制度を設けている場合があります。
出展することのみ決まっているのであれば、割引制度のある展示会を選んで申し込むことも費用を節約するコツです。
出展する展示会が早い段階で決まれば、準備や告知の計画も立てやすくなります。
什器や装飾にかかる費用を抑える
金属製や木製の什器を1から作るとなると、期間も費用もかかります。
大きなものは搬入・搬出の費用も高くなるので、什器類はレンタルサービスを活用するのがおすすめです。
同じレンタルサービスでも、業者によって金額や借りられるアイテムが異なるのでしっかり比較検討しましょう。
中には型式の古い什器(モニターなど)なら、安く借りられるところもあります。
こまかい装飾は、可能な範囲で手作りするのも節約に効果的です。
ただし、安っぽくなるリスクもあるので注意しましょう。
たとえば手描きの看板や椅子カバーがナチュラルな印象を与える場合もあれば、「間に合わせた感」を出してしまうこともあります。
手作りするときは、どの部分をどのデザインで行うか慎重に検討することが大切です。
配布物の数量や予算を抑える
配布するパンフレットやカタログを必要以上に作らない・持ち込まないことも、節約につながります。
パンフレットやカタログは印刷・製本に加えて、作成にも工数や費用がかかります。
不必要なものまで作ると製作費がかかるうえ、搬入費も加わります。
必ずしも紙で配布する必要がないものは、モニターに映すかサイトの無料ダウンロードで提供するなど、デジタル化で上手に対応することも節約のコツです。
配布物が減れば割り当てるスタッフ数も減るので、人件費削減も期待できます。
展示会の費用節約には補助金・助成金の活用がおすすめ
展示会へ参加する中小企業を対象に、地方自治体などが補助金・助成金を出していることがあります。
補助金・助成金を利用すれば、自社の支出を抑えつつ大々的なプロモーションができます。
応募要件や金額は各プログラムや自治体によって異なるので、自社に合った補助金・助成金の中で条件の良いものを選ぶのがポイントです。
ここでは、大阪府と東京都で利用できる補助金・助成金の例を紹介します。
【大阪府】大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)
大阪府が行っている支援事業の一環として、補助金が用意されています。
令和5年度時点の補助金情報は、下記のとおりです。
応募対象 | 府内に主たる事業所・事務所があり、製造業またはソフトウェア業を事業としている中小企業 |
要件 | 上記に加えて府が主催する出展講習会へ参加でき、その他に府が提示する要件すべてを満たすもの |
補助金 | 小間料や装飾費のうち、2分の1にあたる金額※上限25万円まで |
(出典:大阪府「大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)について」)
大阪府の補助金は、あくまで出展支援事業の一部として用意されたものです。
よって応募資格として府が主催する出展講習会への参加など、いくつかの要件をすべて満たした企業のみが申し込めます。
また、補助金の対象となる展示会もあらかじめ決められているので、申し込むときは事前にリストを確認する必要があります。
【東京都】展示会出展助成事業
自治体のほか、地域によってはほかの団体が補助金や助成金を支給していることがあります。
ここでは東京の公益財団法人が実施している、令和5年度時点での補助金事業の内容や対象を紹介します。
応募対象 | 東京都に登記がある、BtoBの展示会への参加者 |
要件 | 中小企業活力向上プロジェクトアドバンスの経営分析を受けており、助成金による支援が妥当であると判断された企業または個人事業主で、その他の要件もすべて満たしたもの |
補助金 | 出展にかかる費用のうち3分の2以下までの金額※上限150万円まで |
(出典:公益財団法人 東京都中小企業振興公社「令和5年度 展示会出展助成事業」)
要件の「中小企業活力向上プロジェクトアドバンスの経営分析」は、都内商工会議所・商工会や東京都商工会連合会が行っています。
オンライン展示会も対象となっている一方で、出展要項が日本語で記載されているもののみ(公的機関による主催を除く)と制限もあるので、主催者情報をきちんと確認しておきましょう。
展示会への出展で補助金や助成金を利用するときの注意点
補助金や助成金を利用するときは、いくつかの注意点を押さえておくことも大切です。
知らずにいると、補助金・助成金が支給されなくなるおそれがあります。
ここでは、展示会の出展料を安く抑えるときの主な注意点を3つ紹介します。
補助金や助成金ごとに要件と金額が異なる
補助金や助成金は国、地方自治体、公益財団法人など、さまざまな団体が実施しています。
補助金と助成金の大きな違いは審査の有無で、補助金は申請した後に審査があり、必ずしも資金を得られるとは限りません。
助成金は、申し込めば基本的に給付される可能性があります。
どちらの場合も共通するのは、要件を満たしていることが求められる点と、団体や制度によって金額が異なることです。
要件を満たしているか、金額は十分か、締め切りに間に合うかを調べたうえで、補助金や助成金の申請先を決めましょう。
支払いは展示会後が一般的
補助金や助成金の申請に通過しても、即座に支払われるわけではありません。
多くの補助金や助成金は、プロジェクトが終了して規定の報告を行ってから支払われます。
展示会への出展で補助金や助成金を受ける場合も、まずは必要な費用を自社でまかなうこととなります。
補助金や助成金を期待して、自社のキャパシティを超える予算を組まないように注意しましょう。
会期後に書類の提出が必要
補助金と助成金のどちらを利用しても、展示会の終了後に書類での報告が必要です。
何にいくらかかったのか明確に報告できるように、準備や会期中に発生した費用の請求書、領収書などは保管しておくことをおすすめします。
募集者によっては、決算申告書の提出が必要な場合もあります。
報告書に不備がなければ、補助金や助成金の実施団体から確定通知書が発行され、後日資金が支払われます。
展示会出展の費用を抑えるならダンボール什器の活用も効果的
展示会の出展にかかる費用を節約するなら、什器作成にかかるコストの見直しも効果的です。
レンタルする手もありますが、オリジナリティを重視するとしたら借りた状態のまま使用するのは味気がありません。
オリジナリティを出すには什器用の装飾品を別途作らなくてはならず、結果的に削減できるコストはわずかになります。
コスト削減しつつオリジナリティを出す手段として、ダンボール什器の製作がおすすめです。
オリジナルデザインのダンボール什器なら、別途装飾品を製作する必要がないので大幅なコスト削減が期待できます。
ほかにも、ダンボール什器には下記の魅力があります。
・商品展示できる丈夫さがある
・印刷・カッティングで好きなデザインを製作できる
・オリジナルのサイズ・形状での製作が可能
・設計次第で折り畳みタイプも作れる
・保管スペースも最小限に抑えられる
強化ダンボールを材料とするので、商品や人を乗せられる丈夫さを実現できます。
矢野紙器株式会社では、UVインクジェット印刷やカッティングなど、優れた加工技術でさまざまなデザインに対応可能です。
ダンボール什器は1から作るので、マスコットなどオリジナルの形状での製作もできます。
折り畳める設計にすれば、少人数で設営・撤収できるうえ、保管スペースも最小限に抑えられます。
最初から自社でダンボール什器を製作しておけば、レンタル業者に「予約で埋まったから」と貸し出しを断られる心配もありません。
矢野紙器株式会社は、数多くのダンボール什器や遊具、家具を製作してきました。
小ロットでクライアントのご希望に沿ったオリジナルデザインの什器を製作しますので、展示会向きのサイズ・量のご注文もぜひお任せください。
まとめ
展示会の出展料を抑えたいなら、補助金や助成金の活用も検討してみましょう。
また、ダンボール什器で安く抑えつつ、オリジナルデザインのものを製作するのもおすすめです。
矢野紙器株式会社は、オリジナルデザインでダンボール什器や家具、遊具を数多く製作してきた実績があります。
小ロットでのご注文もご相談いただけますので、まずはぜひお気軽にお問い合わせください。