製造および加工技術の進歩により、近年は従来以上にダンボールを活用できる場が拡大しつつあります。
たとえばダンボール什器は、予算などの問題を軽減しつつ、木材やプラスチックなど一般的な素材の什器と同じように使用できます。
「ダンボール製だから、什器といっても陳列できる商品は限られるのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ダンボール什器が活躍する場面や、オリジナルデザインでどのようなアイテムを製作できるのか紹介します。
ダンボール什器とは?
ダンボール什器とは、ダンボールを主な素材とした什器のことです。
木材やプラスチックなどで製作する通常の什器と同じく、商品やカタログなどを陳列する目的で製作・設置します。
支柱となる部分や棚板なども基本的にはダンボールでできており、紙ならではの優しく手触りの良い質感が特徴です。
形状やサイズを生かしたり、装飾を施したりして、視認性を高める使い方もできます。
ダンボール什器を使うメリット
通常の素材ではなくダンボールでできた什器を使用するメリットは、複数あげられます。
・ほかの什器素材に比べると低コストで作れる
・加工しやすい
・紙製だが耐久性がある
・サスティナブルへの取り組みをPRできる
ダンボール以外の什器の素材は、プラスチック・木・金属などです。
什器をプラスチック・木・金属で製作した場合に比べると、資材費用がカットできます。
紙製といっても強化ダンボールを使用しているため加工しやすく、耐久性があり、人が乗ったり座ったりできる什器も製作可能です。
また、ダンボール什器はサスティナブルイベントなどでも活用されることがあります。
エコやSDGsへの取り組みを訴えるイベントで、サスティナブルではない什器やアイテムが多いと、来場者にテーマが伝わりません。
ダンボール什器は古紙回収に出してリサイクルできるので、イベント会場そのものを環境に配慮したデザインに仕上げられます。
サスティナブルな活動に注力している企業にとっては、ダンボール什器の使用自体がPRにもなります。
サスティナブルイベントについての詳細は、下記のページで詳しく解説しています。
>>「サステナブルイベントとは? 参加の方法や取り組み例を解説」
ダンボール什器で製作できるアイテム
ダンボール什器の特徴は、カットや印刷などの加工によって、さまざまなサイズ・形状で製作できることです。
ダンボール什器の種類を大きく分けると、下記の3種類です。
・フロア什器
・卓上什器
・吊り下げ什器
それぞれ詳しく解説します。
フロア什器
フロアに直接設置できる、大型の什器のことです。
大人の胸あたりの高さで遠方からも視認されやすいサイズから、子どもでも手に取りやすい高さのものまで、幅広く製作できます。
大型なので商品を多く陳列できるうえ、什器そのもののデザインが看板や装飾代わりになるので目立ちやすくなります。
什器自体が看板や装飾を兼ねる場合は、陳列商品ごとにマッチする企画やデザインが必要です。
ただし、商品の形状に合わせて製作できるメリットがあります。
商品の陳列方法も、一面にフックを取り付けたり、本棚のように複数の棚を作ったり、フックと棚を併用したりと、幅広いスタイルに対応できる自由度の高さが魅力です。
卓上什器
大型什器やレジカウンターなど、卓上に設置するタイプの什器です。
サイズは小振りでありつつも、色や形状で商品の世界観を演出できるメリットはフロア什器と共通しています。
棚の途中に設置するタイプもあり、シリーズ商品を陳列するときに便利です。
また、卓上に置くので、レジ横に置いて「ついで買い」を訴求できるメリットもあります。
卓上什器の魅力は、全体が小振りのため小物系の商品も目立たせやすいことです。
専用の形状で棚を作るので、どのようなパッケージの商品も手軽に整列させられます。
陳列した商品の前方にテスター置き場も作れるので、コスメコーナーなどでの利用にもおすすめです。
POPとの併用もしやすく、設置場所や装飾内容で店舗ごとに個性も演出できます。
吊り下げ什器
ハンガーディスプレイとも呼び、タペストリーのように本体ごと大型什器などに吊り下げて陳列するタイプです。
狭い売り場や新しい商品を置く余裕がない棚にも、新たに商品を陳列できるのがメリットです。
メーカーや卸売り業側からしても、吊り下げ什器なら手軽に設置してもらえるため、「棚に空きがないから」と発注を断られるリスクが減ります。
吊り下げ什器といっても、陳列する商品までもフックで吊らなくてはならないわけではありません。
バルコニータイプの棚を設けて、フック穴のない商品を陳列する方法もあります。
展示会やイベントでもダンボール什器が活用できる
手軽に製作できるダンボール什器は、イベントなど商品陳列以外の目的でも使えます。
BtoB向けの展示会や、一般向けのイベント・ポップアップストアなどにもおすすめです。
ここではダンボール什器を活用できる場面を2パターン紹介します。
装飾用のダンボールディスプレイとしても活用できる
商品を陳列する什器としての役割だけではなく、売り場や展示場、イベント会場などを装飾するディスプレイとしてもダンボール什器が役立ちます。
たとえば下記のアイテムも、ダンボール什器で製作できます。
・パネル
・立て看板
・袖看板
・壁面装飾
・壁面看板
・オブジェやシンボル
など、立体的なもの、平面的なものもダンボール什器なら幅広く対応できるのが魅力です。
サイズが大きくても素材は軽量のダンボールなので、設営・撤収時の手間もほかの素材の什器よりも軽減されます。
ダンボール什器で作れるディスプレイアイテムや、使用するメリットについては、下記のページで詳しく解説しています。
>>「ダンボールのディスプレイは進化している! メリットや利用法を解説」
大型のダンボール什器でブースやイベント会場も作れる
ダンボール什器は、人が乗ったり中に入ったりできるほど大型のものも製作できます。
組み立て式にすれば、運搬も最小限の人手で済みます。
たとえば展示会の木工ブースの代わりにダンボールでブースの枠やゲートを作ったり、遊具を作ってキッズスペースや子供向けイベント会場にしたりする使い方もおすすめです。
すでにダンボール什器を使用したブース作りやイベント会場作りは、国内外で行われています。
【海外の事例】
(出典:timable「黃阿瑪夢「箱」世界 @MCP新都城中心」)
上記は、中国で行われたイベントの事例です。
巨大なキャットハウス、三日月形のベンチなど、人が実際に中へ入ったり座ったりできるオブジェをダンボールで製作しています。
ハウス内に配置されている遊具や家具も、ダンボール製です。
ダンボールならではの加工しやすさにより、木製やプラスチック什器に負けないカラフルでポップなイベント会場に仕上がっています。
【国内の事例】
上記は、矢野紙器株式会社が実際にご依頼いただいたダンボール遊具の事例です。
お子様が元気に走り回って遊べる丈夫な遊具も、ダンボール什器なら仮設置できます。
1日だけの屋外遊園地やテーマパークなど、設営・撤収の負担を軽減しつつ実現していただけます。
上記の遊具はダンボールならではのクラフトカラーを主流としていますが、ご依頼によってフルカラーデザインにも対応可能です。
ほかにもダンボール什器や家具、遊具を活用したい方への参考として、下記のページで展示会用ブース作りのアイデアを紹介しております。
おしゃれなダンボール什器製作なら矢野紙器株式会社にお任せください
ダンボール什器はサスティナブルでメリットの多いアイテムですが、中には「安っぽい仕上がりになるのでは」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
高級感を出したり、本物の木や石のような仕上がりにしたりと、ダンボール什器のデザインにもこだわりたいなら、矢野紙器株式会社にお任せください。
矢野紙器株式会社は、UVインクジェット印刷で月や大理石の写真など繊細なデザインも美しく再現できます。
ダンボールのクラフトカラーではなく、フルカラーの什器を作りたい方にもおすすめです。
ほかの素材と組み合わせた什器の製作事例もあり、たとえば下記のダンボール什器もご相談いただけます。
・アクリル板との併用で高級感のあるショーケースを作りたい
・LEDライトで陳列した商品が際立つ棚を作りたい
・タブレットをはめてプロモーション動画を流せる棚にしたい
など
上記は、実際に製作したLEDつき陳列棚の事例です。
ペイント無しでダンボールならではの質感を残しつつも、アクリルとLED、しっかりとした作りで什器らしい存在感に仕上がっています。
たとえば上記のような什器を製作し、コーポレートカラーや商品のテーマカラー、イメージキャラクターを本体に印刷することもできます。
どのような形・サイズにしたいのか、どのような用途で製作したいのか、ヒアリングでお客様ごとに最適な提案をいたします。
「こういった商品を陳列する棚は作れる?」など、簡単なご質問からで構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ダンボール什器は一般的な木製やプラスチック、金属製などの什器に比べると安価で製作できるうえ、廃棄するときに特別な手続き・費用も必要ありません。
形状もサイズも自由にデザインできるので、設置場所や目的に合わせたオリジナルのダンボール什器が導入できます。
矢野紙器株式会社は、強化ダンボールの高い加工技術を有する会社です。
遊具や家具、什器やオブジェなど幅広い製作実績もありますので、ぜひお気軽にご相談ください。