失敗しても落ち着いて!両面テープ(粘着材)の剥がし方5選

狙ったところを貼り、固定できる便利なアイテム「両面テープ」。

ご家庭の工作はもちろん、工場の中でも頻繁に使用します。

しっかりとモノ同士がくっつくので便利ですが、うっかり間違えてしまったり、剥がした後に跡が残ってしまったりすることがあります。

この記事では、この両面テープをうまく剥がす方法や、素材別の注意点などを紹介していきます。

剥がすための道具5選

①王道「シールはがし液」

名前の通り、シールなどの粘着面を剥がすために使われる商品です。

泡タイプ、ジェルタイプ、スプレータイプなどの種類も豊富で、「両面テープはがし」といった特化型のものまであります。

価格も、100均でも売っているものがあり、意外と身近に手に入るものになっています。

家庭に、事務所に、1つ持っておいても損はないでしょう。

ただし、この液によって、変色したりシミになったりする場合があるので、使う場所は「シールはがし液」に書かれた内容をよく読んで使用してください。

②ドライヤーで温める

これはよく使われる方法の一つです。「なぜ温めると剥がれるの?」という疑問をお持ちの方もおられると思いますが、そもそも両面テープなどの粘着材は、【流動しにくい液体】のような素材になっており、温めることで流動性が増し、剥がれやすくなるのです。

他にも、ライターの火やアイロンなども候補に上がるかもしれませんが、温度が高すぎて素材自体が溶けてしまったり焦げてしまう可能性があるため、ドライヤーなどでゆっくり温めながら使ってみてください。

③消しゴム

文房具の代表格「消しゴム」も、粘着剤を取るのに有効な手段の一つです。

残った”のり”の部分を消しゴムでこすっていきます。

摩擦熱もあり、徐々に落ちていきます。

一度に全部取ろうとおもわず、表面から徐々に削っていくようなイメージで、こすり落としていってください。

ただし、摩擦で摩耗する材料に貼ってしまっている場合は、注意が必要です。
心配であれば、端っこの目立たない所で一度やってみてから使うことをオススメします。

④お酢や中性洗剤も有効

跡に残った粘着剤を拭き取るために、お酢や中性洗剤を使う方法もあります。

これは、粘着剤に浸透し、粘着力を弱める効果があるため、根こそぎ落とす事が可能です。

使い方は、粘着の跡にこれらの液体を垂らし、10分から20分くらいかけてしっかりと浸透させます。

その後で布などで拭き取っていきます。

他にも、ハンドクリームやアルコールなども同様の効果が期待できますので、是非試してみてください。

ただし、染み込んでしまう素材や変色してしまう可能性がある素材には要注意です。

⑤ヘラやカッター

剥がす面積が大きかったり、またはキズなどがあまり気にならない場合は、こうした道具を使って物理的に剥がすのも手です。

ポイントは、上記の①「シールはがし液」や、④お酢や洗剤、などを使い、ある程度柔らかくしておくと、より作業を楽にすることができます。

ヘラやカッター単独で使うよりも、組み合わせることで効率的に作業をすることができます。

どの方法で剥がす?素材別まとめ

オススメは、ドライヤーと消しゴムです。

木は少々の熱では変形することはありません。

一方で、染み込むことで変色を起こすことがありますので、ハンドクリームやシールはがし液は目立たない部分で試してみてからの方が無難です。

プラスチック

オススメは、お酢や中性洗剤、ハンドクリーム、アルコールです。

プラスチックは、傷つきやすい反面、染み込みなどには耐性がありますので、オススメの方法でまずは試してみてください。

ドライヤーや消しゴムでもはがせますが、熱による変形の恐れがあるので、この方法で行う場合は、様子を見ながらしてみてください。

ガラス

オススメは、プラスチックと同じです。

ガラスも傷が付きやすいので、ヘラやカッターを使う場合は注意しましょう。

プラスチックよりも熱への耐性がありますが、ガラスによっては一部分だけ熱することで、その部分が膨張して割れてしまう事も考えられますので気をつけましょう。

オススメは、消しゴムとドライヤーです。

紙といっても、コピー用紙のような薄いものから、強化段ボールのような厚いものまであります。紙は意外と熱に強く、強く長く当て続けない限りは、焦げたりはしません。

ただし、薄い紙ならそもそもの素材が弱いため、シワなどの痛みが出やすく、諦めて新しく貼った方が早いかもしれません。

表面に、フィルムが貼ってあるような紙であれば、はがせる可能性がありますが、そうでない場合は、破れたり歪んだり、シワになったりする可能性が大きいです。

オススメはドライヤーです。シールはがし液、お酢、中性洗剤、アルコール、ハンドクリームも使うことができます。

布は熱には比較的強いので、まずはこれを試してみましょう。

シールはがし液やお酢は臭いが残る可能性がありますので、布の用途によって使い分けてみてください。

また色落ちしたりする可能性も考慮し、これらを使う場合は、目立たない部分でやってみることをオススメします。

これは覚えておきたい!剥がすコツ

両面テープなど、テープ類をキレイに剥がすポイントは2つあります。

① ゆっくり

② 120度~150度の角度

です。

ひとずつ見ていきましょう。

①ゆっくり剥がす

これは感覚的にもわかると思いますが、一気に剥がすのではなく、ゆっくり剥がしたほうが粘着剤が残りにくくなります。

これは、「②ドライヤーで温める」のところでもありましたが、粘着剤は「流動しにくい液体」であるため、一気に引っ張ると、流動が間に合わず、途中で破れる原因となります。

流動がゆっくり起きるよう、ゆっくり引っ張るのがコツです。

②120度~150度の角度

両面テープや粘着剤の種類によりますが、一般的にはこの角度で剥がすと良いと言われています。

普通に剥がすと、このくらいの角度には自然になると思いますが、もしうまく行きにくいと感じる時は、角度も意識してみてください。

そもそも失敗しないために心がけておきたいこと

ここまで、両面テープを剥がす時の粘着剤の落とし方や、貼り付けた素材別の対応方法などをご紹介してきましたが、できれば、それは避けたいですよね。

貼り付けを失敗しない方法も併せて紹介します。

位置を確認する

これは当たり前ですが、貼る位置をしっかり確認してから貼りましょう。

鉛筆で薄く位置を指定し、狙いをつけてそこへ貼ります。

両面テープの端だけ剥がす

位置を決めたら、いきなり全部の両面テープを剥がすのではなく、端を数センチ剥がし、離型紙を折り曲げて外に出しておきます。

貼りたいものを重ね、数センチ剥がしておいた箇所を先にくっつけて、全体の位置が決まったら、折り曲げてはみ出した部分をゆっくりひっぱっり、本格的にくっつけていきます

仮止めテープを使う

実際にくっつけて見たいけど、後から剥がしたい。

そういう時は、「仮止め用両面テープ」を使いましょう。

両面テープのタイプもあれば、養生テープのように剥がすことを前提に作られているもの、ポスターなどを一時的に貼れるように粘着力を極端に落としてあるものなどがあります。

「貼る」「剥がす」は奥が深い!

見渡せばあらゆるものは、貼られて作られています。

お手持ちのスマートフォンだって、最近はネジではなく、テープで止められている部分がほとんどだと言われています。

矢野紙器株式会社では、日常的にダンボールを始め、紙やフィルムの貼りを、専門スタッフが行っており、お客様から依頼をいただいた商品を作成しています。

フルオーダーのため、途中のミスは大きな損失につながります。

そのため、失敗しない手順、失敗してもリカバリーのできる作業工程を組み、慎重に商品づくりを行っています。

冒頭で紹介した、粘着剤を剥がすのは最終手段で取り入れる方法ですが、これがあったおかげで救われたピンチも数しれずあります。

できれば失敗しないにこしたことはありませんが、もしもの時には、是非活用してみてください。