近年、企業や団体の活動において重視されているのが、日本語で「持続可能性」を意味するサスティナビリティです。
集客やイメージアップ戦略として、多くの企業や団体がサステナブルイベントに注目しています。
サステナブルイベントを開催するときは、テーマとして掲げるのみならず、告知方法・会場内の設備・運用方法も環境への配慮を意識する必要があります。
例として、強化ダンボールを使用した装飾や什器をメインにすると、設営・撤去にかかるコストを抑えつつ、環境にも配慮したイベント開催が可能です。
矢野紙器は、強化ダンボールで来場者の方が喜ぶ椅子や遊具も製作できますので、「話題性のあるイベントにしたい」とお考えの方はご相談ください。
ここではサステナブルイベントについて、特徴や開催するにあたって意識したいポイントを紹介します。
サステナブルイベントは今後の主流に
サステナブルは、sustain(持続する)とable(〜できる)を組み合わせた造語です。
資源を過度に消費せず、地球環境を破壊しない「持続可能な世界」を目指すための取り組み全般をさしています。
近年、企業や団体がサステナビリティの取り組みとして行っているのが、さまざまなサステナブルイベントです。
まずはサステナブルイベントの意味や意義、メリットについて解説します。
サステナブルイベントとは?
サステナブルイベントとは、大きく分けると下記の2種類があります。
1.サステナブルにのっとった方法で開催する商業イベント
開催方法そのものをサステナブルな観点で企画・実行するイベントのことです。
たとえばゴミの量を減らすためにレンタルサービスを利用したり、リサイクルしやすいダンボール素材などの什器を使用したりします。
公共交通機関でのアクセスが容易な会場を選ぶことも、サステナビリティにもとづいた取り組みです。
2.サステナブルな社会の推進を啓発するためのイベント
サステナブル自体をイベントのテーマとする方法です。
会場で使用する什器などをサステナブルな観点から調達するほか、リサイクルアイテムを使用したアート作品の展示などで来場者に訴えかけるイベントとなっています。
本記事では、『1.サステナブルにのっとった方法で開催する商業イベント』をメインに解説します。
商業イベントでサステナブルをテーマにするメリット5選
商業イベントのテーマにサステナブルを選ぶメリットは、下記の5つがあげられます。
・消費者意識の変化への対応
・予算を削減できる
・SDGs支援を目的とした助成金の適用
・企業の先進性をアピール
・SDGs意識の啓発による社会貢献
近年はモノがあふれ、「飽きたら買い換える」「トレンドに合ったアイテムを揃える」などサステナブルとは真逆な社会となっています。
一方で、環境よりも経済活動を優先する現代の傾向に対して、嫌忌する消費者も増えてきました。
サステナブルをテーマとしたイベントに取り組み、SDGsを啓発することで、企業は消費者意識の変化に寄り添ったアプローチができます。
取り組み実績を作れば、SDGs支援を目的とした助成金を受けられる可能性も生まれます。
行政や消費者に対してSDGs意識を啓発しつつ、自社の先進性をアピールしてイメージアップできることが、サステナブルなイベントを行うメリットです。
サステナブルイベント開催のポイント
サステナブルイベントを開催するときのポイントは、企画内容を慎重に検討することです。
企画内容がサステナブルの信念に反していれば、イメージアップ効果は見込めません。
環境へ配慮したイベントとして成立させる方法として、下記のポイントがあげられます。
・公共交通機関でアクセスできる会場を選ぶ
・イベント用の資材はリサイクル可能なものを選ぶ
・パンフレットなどは必要以上に作らない
サステナブルイベントとしてアピールするなら、会場のロケーションにもこだわりましょう。
公共交通機関でアクセスできる会場なら、自家用車による来場(排気ガスの量)を減らせます。
イベント用の資材も、工夫次第でサステナブルな取り組みをアピールできるポイントです。
たとえばリサイクル可能な素材を使用した什器や小物をメインにすれば、会場全体の演出にも貢献してくれます。
イベント告知も、パンフレットやフライヤーを作りすぎないように注意しましょう。
SNSなどデジタルツールを活用したり、会場案内はポスターのQRコードを読み取る方式にしたりと、使い捨てアイテムを減らす方法は複数あげられます。
サステナブルイベントの取り組み例
初めてサステナブルイベントを開催したり、参加したりするときは、他社の事例を参考にすると失敗を避けられます。
実際にイベント上でどのような企画や工夫が行われているのか、ここでは「出品商品」「ごみ箱」「装飾や什器」の3分野で事例を紹介します。
出品商品の工夫
出品商品は、製造過程や廃棄時点での環境配慮が重視されます。
サステナブルイベントに適した主な出品商品は、下記のとおりです。
・オーガニックな食品
・リサイクル可能な素材を使用した製品
・耐用年数が長い製品
・規格外の食品の販売
オーガニックな食品は、化学的な農薬や肥料を使用せず、太陽光や水など自然のパワーを活用した有機栽培によって生産された食品のことです。
使用するのは天然由来の農薬や肥料のみに留めているため、自然環境に配慮された栽培方法といえます。
リサイクル可能な素材を使用した製品も、処分時に正しく分別すれば新しい製品に生まれ変わるため、資源の無駄遣いを減らせます。
たとえばアパレル業界では、近年回収した古着や売れ残った商品を新たに染め直し、リサイクル品として販売する取り組みが話題となっています。
資源の無駄を減らす点は、耐用年数が長い製品も同じです。
耐用年数が長く、買い換える頻度が低ければ、処分にかかるエネルギーを抑えられます。
また、食品の分野でも規格外の野菜や賞味期限間近の加工品を販売することで、フードロスを減少させられます。
投票型ごみ箱でポイ捨て防止
サステナブルのひとつであるリサイクルを効率的に行うためには、正しいゴミの分別や廃棄が不可欠です。
リサイクルする仕組みが確立されていても、ポイ捨てが多発すればサステナブルなイベントになりません。
ごみ箱そのものを工夫することで、捨てやすさや分別しやすさを提供しましょう。
近年、ポイ捨て対策のユニークな取り組みとして注目を集めたのが、「投票型ごみ箱」です。
英国ではタバコのポイ捨て対策として、ごみ箱に投票箱の要素を加えました。
ひとつのごみ箱に投入口を2つ設けることで、それぞれを投票箱に見立てています。
利用者は質問で「これだ」と思う回答が書かれている投入口へタバコを入れることで、手軽に投票しつつ、マナー良くゴミを廃棄できる仕組みです。
質問は「A選手とB選手、最高なのはどっち?」「スマホはiPhone派?Android派?」など、手軽かつ誰もが投票したくなる内容となっています。
投票型ごみ箱の事例は世界中から評価され、多くの企業や地域が取り入れるようになりました。
装飾や什器への工夫
イベント会場の装飾や什器も、サステナブル要素が問われています。
環境への配慮を優先するためには、運搬、設営、撤去、処分のすべてに工夫が必要です。
工程 | チェック項目 |
---|---|
運搬 | 排気ガスなどを最小限に抑えているか |
設営 | その場で手軽に組み立てできるか |
撤去 | 分解は容易にできるか |
処分 | 廃材やコストは最小限に抑えられているか |
装飾や什器が必要以上に多く、巨大なものであれば、運搬にかかる費用やエネルギーが大きくなります。
あらかじめ複数のパーツに分けて運搬し、その場で手軽に組み立て・分解できる装飾や什器であれば、運搬から設営、撤去までのコストを最小限に抑えられます。
また、可能な限り廃材を出さないことも重要です。
やむを得ず廃材が出る場合も最小限に抑え、廃棄量やコストを抑える必要があります。
たとえば、毎回同じテーマでイベントを開催している企業は、装飾物にあえて「第〇回」「令和〇年」などのナンバリングを行っていません。
繰り返し使えるデザインにしており、イベント装飾物の廃棄量を抑えています。
サステナブルイベントとダンボール
サステナブルイベントと相性の良い素材の代表例が、ダンボールです。
ダンボールと一口にいっても、種類によって形状やサイズ、強度は大きく異なります。
素材としての特性を活用しつつ加工できるダンボールは、サステナブルイベントでもさまざまな場面で貢献してくれます。
ダンボールのサステナビリティ
ダンボールがサステナブルイベントと相性が良い理由は、素材そのものの特徴にあります。
軽量でリサイクルできるダンボールは、処分するときも通常の古紙と同様に回収へ回せるため、運搬や撤去にかかる費用が大幅に軽減できます。
加工しやすく組み立てや分解が容易なため、仕上がりサイズが大型の展示物や什器であっても、運搬コストは最小限しかかかりません。
とくに強化ダンボールは、イベントの展示や什器に最適です。
リサイクル紙を使用した通常のダンボールと異なり、線維が長いパルプ原紙で生産されているため、高い強度を有しています。
強化ダンボールは木材に匹敵する強度があり、軽量でありつつも耐用年数が長いため、サステナブルな素材の代表格です。
ダンボールの装飾性
サステナブルイベントでダンボールを利用すると、デザイン性を固められることもメリットのひとつです。
紙素材のダンボールは表面に着色や印刷がしやすく、ポップなパステルカラーからビビッドな原色系まで、幅広いデザインに対応できます。
こまかな模様も印刷できるため、装飾や什器に企業のロゴやブランド、イベントテーマに合ったデザインを取り入れたいときにも最適です。
また、あえてダンボールそのものの色を生かして、ナチュラルな雰囲気を演出する方法もあります。
軽量のため組み立てや分解がしやすく、リサイクル回収を利用すれば、片付けに余計な手間もかかりません。
ダンボール什器の制作ならお任せください
近年、幅広いシーンで活躍しているのが、ダンボールの什器です。
強化ダンボールの進化によって用途が広がり、出展者やイベント企画運営者の方からも多くの注目を集めています。
ブース用の机やパネルなどの什器のみならず、会場内のお子様向け遊具や家具も強化ダンボールで製作可能です。
金属や木材を使用した遊具や家具よりも軽量かつ、コスパが非常に高いため、イベント会場以外でも活用にもおすすめです。
弊社は、小ロットでのオリジナル什器や家具の製作も承っております。
強化ダンボールゆえの高い加工性で、これまでさまざまな形状・デザインの装飾品や什器、家具などを製作してきました。
実際の製作例は、下記のページで写真つきにて紹介しております。
詳細こちら⇒販促什器、展示台、POP作成
まとめ
サステナブルイベントの開催や参加は、近年話題のSDGsに絡めたアプローチをするチャンスです。
会場選びや当日の企画にこだわることはもちろん、設備もサステナブルな方向性を取り入れてみてはいかがでしょうか。
強化ダンボールを使用した什器なら、高いデザイン性と耐久性を両立させつつ、サステナブルへの取り組みもアピールできます。
ダンボール什器を活用したサステナブルイベントの開催や参加で、更なるイメージアップと顧客開拓をはかりましょう。
強化ダンボールを使用したイベント用アイテムの製作は、丁寧なヒアリングでオーダーメイドにも対応できる弊社へお任せください。